海外通販や越境EC(国際ショッピング)を利用する人が年々増えています。日本では手に入らないレアなファッションアイテムやコスメ、電化製品まで、世界中の商品がクリックひとつで届く時代です。
しかし、「返品時の送料(返送費用)は誰が払うのか?」という問題については、意外と知られていません。この記事では、海外通販における返品送料の通説と実際の運用の違いについて、わかりやすく解説します。
返品送料は購入者?販売者?その“通説”と現実
日本の通販では「返品無料」や「返品用の送り状同封」が一般的ですが、これは日本独自の手厚い消費者保護文化です。
海外、特に欧米のオンラインショップでは、自己都合の返品にかかる返送送料は原則として購入者が負担するというのが一般的なルールとなっています。
たとえば、サイズが合わなかった、色味が思っていたのと違った、などの理由で返品を希望する場合、国際返送料(時に数千円〜1万円以上)を自分で支払う必要があるケースが多いのです。
海外通販の返品ポリシーはどうなっている?
有名な海外ショッピングサイトやブランドのポリシーを見ると、その違いがはっきりと分かります。
- Farfetch(ファーフェッチ):日本からの返品も無料(対象ブランドと条件による)
- SSENSE(エッセンス):購入者都合の返品は自己負担。DHLなどでの返送が指定されている
- Mytheresa(マイテレサ):多くの場合、無料返品に対応。ただしセール商品は対象外
- Net-A-Porter(ネッタポルテ):国際返品に無料ラベルを提供しているが、使用条件あり
- Amazon.com(US):商品ごとに異なり、マーケットプレイス出品者の規定に従う
- The RealReal:返品可能商品でも、送料は購入者負担
このように、「返品はできるが、送料は自己負担」というケースが非常に多いのが現実です。特にアメリカの通販では「返品=権利」「送料負担=義務」とは分けて考えられており、買う側がよく確認しておく必要があります。
「返品無料」と書かれていても要注意
「返品無料」と記載があると安心してしまいがちですが、いくつかの注意点があります。
- 返品無料の対象国が限定されている場合が多い
アメリカ・イギリス・EU諸国のみが対象で、日本からの返品は別扱いになることが少なくありません。 - 返金対象が商品代金のみで、送料・関税は戻らない
初回の送料や支払った関税、決済手数料などは返金対象外とされていることが多く、思ったより損をすることがあります。 - 返送方法が限定され、安価な発送手段が使えない
DHLやFedExの指定がある場合、個人が安価な郵便で返送することが認められていないため、高額な送料を支払うことになります。
返品送料で後悔しないためのチェックポイント
1. 購入前に返品ポリシーを確認する
購入前に「Returns」だけでなく「International Returns」の項目も読むようにしましょう。日本からの返品が対象かどうか、明記されているかが重要です。
2. 国際送料をシミュレーションしてみる
例えば、1kgの荷物をアメリカに返送するだけでも4,000〜8,000円かかることがあります。日本郵便、DHL、FedExなどでざっくりした送料を事前に確認しておくと安心です。
3. クレジットカードやPayPalの返品補償を活用する
Visa、Mastercardの一部カードやPayPalには、条件を満たせば返品送料を補償してくれるサービスがあります。登録やレシート提出が必要なので、事前に確認しておきましょう。
返品せずに売るという選択肢も
「返送送料が高すぎて返品する意味がない」と感じたときは、国内フリマアプリや中古買取サービスに出品して売却するという選択も有効です。
例えば、
- メルカリ
- ラクマ
- ブランド買取サービス(Brandear、コメ兵など)
を使えば、返送料を払わずにある程度の金額で商品を回収できる可能性があります。ただし、ブランドによっては並行輸入品扱いとなるため、買取価格が低くなる場合もあります。
よくある勘違いとトラブル例
- 「返品無料と書いてあったのに、送料は自己負担だった」
→国際返品は別条件になっていることが多いため、よく読めば記載されていることがほとんどです。 - 「返品したけど関税が返ってこなかった」
→日本の税関に申請することで返還手続きは可能ですが、手間がかかるうえに保証されていません。 - 「郵便で返送しようとしたら受付不可だった」
→販売者が特定の業者での返送を指定している場合、指定外の方法は受け付けてもらえないことがあります。
まとめ|海外通販の返品送料は“自己責任”が基本。賢くルールを理解しておこう
海外の通販サイトでは、返品できるかどうか以上に、“送料は誰が負担するか”が重要なチェックポイントです。
✔ 自己都合返品は、基本的に購入者が送料を払う
✔ 無料返品といっても日本は対象外の場合が多い
✔ 国際送料が高くつくケースが多い
✔ 不良品対応などは例外として返送料を販売者が負担することもある
今後も海外ショッピングの機会は増えると思いますが、返送費用の現実を知らずに後悔することがないよう、事前の確認と備えが重要です。快適な越境ECライフを楽しむために、返品規定もぜひ“読んでから買う”習慣をつけましょう。
※本記事の情報は執筆日時点のものです。今後サービス内容や料金等が変更される可能性がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
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