アメリカ輸出で必要な「HSコード」とは?初心者向けに解説
海外へ商品を輸出するとき、避けて通れないのが「HSコード」です。
「数字が並んでいるけれど、何を意味しているの?」
「日本で使っているHSコードを、そのままアメリカでも使える?」
「関税にも関係するの?」
輸出初心者にとっては、少し分かりにくい存在かもしれません。
しかし、HSコードは海外発送や通関において重要な役割を持っています。特にアメリカ向けに商品を輸出する場合は、日本側で使うコードと、アメリカの輸入時に使われるコードの違いを理解しておくことが大切です。
今回は、HSコードの基本からアメリカ輸出で注意したいポイントまで、初心者向けに分かりやすく解説します。
そもそも「HSコード」とは?
HSコードとは、世界各国で貿易する商品を分類するための「共通の商品番号」のようなものです。
HSは「Harmonized System(統一システム)」の略称で、世界税関機構(WCO)が管理しています。
商品の種類ごとに番号が設定されており、例えば衣類、家電、食品、機械部品など、それぞれ異なる分類に分けられています。
HSコードの大きな特徴は、最初の6桁が国際的に共通していることです。
一方で、6桁より後の番号は国によって細分化される場合があります。そのため、「日本で調べたコードとアメリカで使われているコードが違う」というケースもあります。
アメリカでは「HTSコード」を使う
ここが、アメリカ輸出で特に覚えておきたいポイントです。
アメリカでは、輸入される商品を「HTS(Harmonized Tariff Schedule)」という関税分類表に基づいて分類します。
つまり、
HSコード=国際的な商品分類の基本となる番号
HTSコード=アメリカの輸入品を分類するための番号
と考えると分かりやすいでしょう。
アメリカのHTSは、国際共通のHSコードをベースに、アメリカ独自の分類を追加したものです。4桁・6桁までは国際的なHS体系に基づきますが、8桁・10桁ではアメリカ独自の分類が設定されています。
2026年版のHTSには、数多くの商品分類が掲載されており、関税率や統計上の分類などを確認できます。
HSコードは何のために必要?
では、なぜ商品にHSコードを付ける必要があるのでしょうか。
大きな理由の一つが、関税を決めるためです。
アメリカに商品が輸入されると、税関では「これは何の商品なのか」を分類します。
その分類によって適用される関税率などが決まるため、商品を正しく分類することが重要になります。
例えば、見た目が似ている商品でも、
- 材質
- 用途
- 機能
- 商品の構造
- 使用方法
などによって分類が変わる場合があります。
そのため、「商品名が○○だから、このコードだろう」と単純に決めてしまうのは危険です。
日本のHSコードをそのまま使えばいい?
ここも輸出初心者が間違えやすいポイントです。
HSコードは国際的に共通する仕組みですが、すべての桁が世界共通というわけではありません。
国際的に共通するのは基本的に最初の6桁です。
それ以降は各国が独自に細分化しているため、日本で使用しているコードの末尾が、アメリカのHTSコードと一致しないことがあります。
そのため、
「日本で使っているHSコードがこれだから、アメリカでも同じ番号でOK」
と考えないことが大切です。
アメリカ向け輸出なら「HTSコード」を確認
アメリカへ商品を輸出する場合、輸出する日本側では輸出統計品目番号(Schedule B)が関係するケースがあります。
一方、アメリカ側で輸入される際にはHTSが使用されます。
アメリカ国際貿易委員会(USITC)も、輸出にはSchedule B、輸入にはHTSが使用されると説明しています。両者はHSの最初の6桁を共有していますが、8桁・10桁の分類は異なる場合があります。
つまり、アメリカ向け輸出では、
日本側の輸出分類
↓
アメリカ側の輸入分類(HTS)
という2つの視点を持っておくことが重要です。
HTSコードはどこで調べる?
アメリカのHTSコードは、USITC(米国国際貿易委員会)が公開している「Harmonized Tariff Schedule」で確認できます。
商品名から検索できる場合もありますが、必ずしも一般的な商品名がそのままHTSに掲載されているとは限りません。
USITCも、一般的な呼び方では検索結果が出ない商品があると説明しています。その場合は、税関の過去の分類事例などを確認する方法もあります。
また、HTSは改訂されることがあるため、古い情報をそのまま使わず、最新の情報を確認することも大切です。2026年版についても複数回の改訂が行われており、2026年9月2日にはRevision 18が公開されています。
HSコードを間違えるとどうなる?
HSコードは単なる「商品番号」ではありません。
分類を間違えると、適用される関税率などにも影響する可能性があります。
また、通関時に確認が必要になったり、輸入者側とのやり取りが増えたりするなど、配送のスムーズさにも影響することがあります。
特に越境ECでは、商品数が増えるほど「以前使ったコードをそのまま使う」という運用になりやすいため注意が必要です。
商品仕様が変更された場合や、新商品を追加した場合には、改めて分類を確認することをおすすめします。
「商品名」だけで判断しないことが重要
HSコードを調べるときにありがちな失敗が、商品名だけで検索して終わってしまうことです。
例えば「ケース」「ケーブル」「バッグ」など、同じような名前の商品でも、材質や用途によって分類が変わる可能性があります。
そのため、HSコードを確認するときは、
- 商品の正式名称
- 材質
- 用途
- サイズ
- 機能
- 構造
- 他の商品との組み合わせ
など、商品の具体的な情報を整理しておくとよいでしょう。
「何の商品なのか」だけではなく、「どのような商品なのか」まで確認することがポイントです。
アメリカ輸出では「HSコード=関税」だけではない
HSコードについて調べていると、「結局、関税率を調べるための番号なの?」と思うかもしれません。
もちろん関税は重要ですが、それだけではありません。
HS・HTSによる商品分類は、貿易統計や輸入管理などにも利用されています。アメリカのHTSには、商品分類だけでなく関税率や統計上の分類も掲載されています。
つまりHSコードは、海外へ商品を送るための「通関上の共通言語」のような役割を持っているのです。
まとめ:アメリカ輸出では「6桁以降」に注意
HSコードは、世界各国で商品を分類するための国際的な仕組みです。
特に覚えておきたいのは、
・HSコードの基本は国際共通
・最初の6桁は国際的に共通
・6桁以降は国によって異なる
・アメリカの輸入ではHTSが使われる
という点です。
「日本で使っているHSコードを、そのままアメリカでも使えばいい」と考えるのではなく、アメリカ側のHTSで適切な分類を確認することが、スムーズな輸出につながります。
越境ECでアメリカ市場への販売を始めるなら、商品登録や発送準備の段階からHSコードを意識しておきましょう。
HSコードを正しく理解することは、海外発送をスムーズにするための第一歩です。
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