少子高齢化と国内市場の成熟が進む中、「海外に売る」という選択肢はもはや一部の大企業だけのものではありません。特に、インターネットを活用して海外の消費者に直接商品を販売する越境EC(Cross-Border E-Commerce)は、多くの企業にとって現実的な成長戦略となっています。
しかし、華やかな成功事例の裏には、意外と知られていない“現実”も存在します。本記事では、海外進出を目指す企業が知っておくべき越境ECのリアルを解説します。
1. 市場は確かに大きい。しかし「簡単」ではない
世界最大級のEC市場である中国、巨大な消費力を持つアメリカ、急成長を続けるインドや東南アジア諸国。
数字だけを見ると、どの市場も非常に魅力的です。実際、AmazonやAlibabaといった巨大プラットフォームの存在により、海外の消費者にリーチするハードルは下がっています。
しかし現実はこうです:
- 現地の競合も同じ土俵にいる
- 価格競争は想像以上に激しい
- 広告費は年々高騰している
「出せば売れる」時代は終わっています。越境ECは参入障壁が低い分、競争も激しいのです。
2. 言語の壁よりも“文化の壁”が高い
「英語対応すれば大丈夫」と考えるのは危険です。
たとえば、
- 色の意味(白=清潔?それとも喪?)
- サイズ表記の違い
- レビュー文化の違い
- 決済方法の好み(クレジットカード、後払い、電子決済など)
これらは国によって大きく異なります。
たとえばドイツでは請求書払いが好まれる傾向があり、韓国ではスピード配送が重要視されます。
成功する企業は「翻訳」ではなく「ローカライズ」に投資しています。
3. 物流と関税は“見えないコスト”
越境ECで多くの企業が直面するのが物流問題です。
- 国際送料は想像以上に高い
- 配送日数が長いとカート離脱率が上がる
- 関税や輸入規制でトラブルになる
特に食品、化粧品、医療関連商品などは規制が厳しく、事前確認なしに販売すると差し止めになるケースもあります。
「売る」よりも「届ける」ほうが難しい——これが越境ECの現実です。
4. 成功企業に共通する3つの特徴
越境ECで成果を出している企業には共通点があります。
① 最初から“全世界”を狙わない
1カ国に集中し、テスト販売 → 改善 → 拡大というステップを踏んでいます。
② 自社ブランドを確立している
価格競争に巻き込まれないためには、ストーリーや独自性が重要です。
③ データを徹底的に見る
広告ROI、CVR、リピート率などを細かく分析し、感覚ではなく数字で判断しています。
5. 越境ECは「短期戦」ではなく「長期戦」
多くの企業が半年〜1年で撤退します。その理由は、
- 広告費が回収できない
- 思ったより売れない
- オペレーションが回らない
しかし、海外市場でブランドを構築するには時間がかかります。
国内で成功したモデルをそのまま持ち込むのではなく、海外市場用に再設計する覚悟が必要です。
まとめ:越境ECはチャンスか?それとも幻想か?
越境ECは間違いなく大きなチャンスです。
しかし、それは「準備した企業」にとってのチャンスです。
- 市場調査
- ローカライズ戦略
- 物流体制
- 法規制の確認
- 長期的なブランド構築
これらを軽視すると、簡単に赤字事業になります。
海外進出は「拡大」ではなく「再スタート」。
その覚悟を持てる企業だけが、世界市場で生き残るのです。
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