米国で医療機器や化粧品、食品、サプリメントなどを販売するには、FDA(米国食品医薬品局)への登録が欠かせません。しかし、実際に登録を進めると「思っていたより書類が多い」「何度も差し戻される」という壁にぶつかる企業が多いのも事実です。
この記事では、FDA登録でよくある拒否(Refusal/Deficiency)事例と、実務で使える対処法をわかりやすく解説します。
■ 拒否されやすいポイント1:製造施設の情報不備
最も多いのが、製造施設(Facility)の住所・責任者情報の不整合です。
よくあるミス
- 住所の英語表記が申請書類ごとに微妙に違う
- 工場と本社の住所を混同
- 連絡窓口(US Agent)の情報が古いまま
対処法
- 公式書類(登記、ライセンス)と完全一致させる
- 英語住所は社内で「標準表記」を作る
- US Agentの情報は年1回は更新・確認する
■ 拒否されやすいポイント2:製品分類(Product Code)の誤り
自社製品がどの分類に入るかは、FDA独特のルールがあり、特に医療機器は非常に複雑です。
よくあるミス
- 類似製品を参考にしたが実は分類が違った
- 本当は510(k)対象なのに「Class I exempt」と誤解して登録
- 雑貨のつもりが「医療機器」に該当していた
対処法
- 「Intended Use(用途)」を明確にする
- 同じ用途のFDA認可品を複数調査し、Product Codeを突き合わせる
- 迷ったらFDAデータベースか専門家に相談する
■ 拒否されやすいポイント3:ラベル・表示内容の不適切さ
FDAは製品ラベルの表記ルールが細かく、気軽に書いた説明文が引っかかることがあります。
よくあるミス
- 効能・効果を過剰にアピール
- 医療機器でUDI(バーコード)が不適切
- 英文ラベルが曖昧で誤解を招く表現を含む
対処法
- 効果を明言しない(特にサプリ・化粧品)
- UDIの形式と位置をFDAガイドラインで確認
- 英文は「ネイティブチェック+FDA表記規定」の2重チェック
■ 拒否されやすいポイント4:手数料支払いの遅延または記録不備
特に医療機器の施設登録はAnnual Establishment Registration Feeが必要で、支払い記録の不備が拒否の原因になります。
よくあるミス
- 支払いは済ませたがPayment Identification Numberを申請に記載し忘れ
- 支払い後、システム反映まで時間差があることを知らなかった
- 年度切り替え時(10月)に期限切れ
対処法
- 支払い後の「Payment Confirmation」を必ず保存
- 支払いから反映まで1〜3日かかることを前提に動く
- 毎年9月には更新準備をスタート
■ 拒否されやすいポイント5:技術文書・安全性情報の不足
医療機器や特定の食品では、安全性データやテスト結果の不足が拒否の原因になります。
よくあるミス
- 510(k)提出で必要な比較試験データが足りない
- ISO13485などの品質マネジメントの証明がない
- 成分の安全性データが古い
対処法
- FDAガイドラインの「Required Documentation」をリスト化
- 自社で作れないデータは外部試験機関に早めに依頼
- ISO文書・試験データは毎年アップデート
■ まとめ:FDA登録は“事前準備”がすべて
FDA登録は複雑に見えますが、多くの拒否理由は
「情報が不一致」「分類を誤った」「ラベルが曖昧」といった基本的なポイントに集約されます。
つまり――
最初の段階で正しい情報整理と分類を行えば、拒否の大半は防げるということです。
これからFDA登録を進める方は、
- 情報の統一
- 製品分類の精査
- ラベル表記の慎重な確認
この3つを徹底するだけで、登録の成功率は大幅に上がります。
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