アメリカ輸出や規制対応で迷わないための使い分けガイド
アメリカ市場に製品を輸出する際、よく耳にする2つの規制機関――FDAとEPA。
「どっちの認可が必要?」「両方出てくるけど、何が違うの?」と混乱した経験、ありませんか?
本記事では、FDAとEPAの役割の違いと、その使い分けのコツをわかりやすく解説します。食品や化粧品、洗剤、医療機器など、アメリカで商品を展開する方には必読の内容です。
🔍 そもそもFDAとEPAって何?
| 略称 | 正式名称 | 主な役割 |
|---|---|---|
| FDA | Food and Drug Administration | 食品・医薬品・化粧品・医療機器の安全性と表示を管理 |
| EPA | Environmental Protection Agency | 環境保護を目的に、化学物質や農薬、排出物などを規制 |
両者ともアメリカ合衆国の政府機関ですが、目的と管轄する製品が大きく異なります。
🍽 FDAが管轄するのは「人が体に取り入れるもの」
FDAは、「人の健康に直接関わる」製品を監督します。以下のような商品が対象です:
✅ FDAの対象製品:
- 食品(輸入食品も含む)
- サプリメント・健康食品
- 医薬品・医療機器
- 化粧品
- タバコ製品
- 動物用医薬品・飼料
🔍 例:
- 輸出用の抹茶パウダー → FDAの食品施設登録が必要
- 海外販売予定のスキンケア化粧水 → 成分とラベル表示のFDAチェック対象
🌱 EPAが管轄するのは「人と環境に影響を与える化学物質」
EPAは、主に環境・生態系・大気・水質・化学物質の規制を担っています。製品に含まれる殺菌成分や化学薬品が焦点です。
✅ EPAの対象製品:
- 農薬、殺虫剤、防カビ剤
- 殺菌スプレー、除菌剤(有効成分ありの場合)
- 環境排出物(工場の排ガスなど)
- 化学薬品(TSCA法に該当)
🔍 例:
- 抗菌スプレー(殺菌成分入り) → EPA登録が必要
- 虫よけスプレー(ディート含有) → EPA管轄
- 食品添加物 → FDA管轄(EPAではない)
📌 よくある混乱ポイントと使い分けの実例
1. 消毒・除菌製品はFDA?EPA?
- 手指用アルコールジェル:人の肌に使う → FDA管轄(医薬部外品扱い)
- テーブル用除菌スプレー:殺菌成分があれば → EPA管轄(殺菌剤)
- 無添加の水拭きクリーナー:殺菌成分なし → 登録不要(ただしラベルに注意)
2. 化粧品と医薬部外品の違い
- 口紅、保湿クリーム → FDA化粧品カテゴリー
- ニキビ治療用ローション(効果表示あり) → FDA医薬品扱い(OTCモノグラフ適用)
3. EPA+FDA両方関係するケースも!
たとえば…
- 食品工場で使う殺菌剤:
→ EPA登録が必要(環境殺菌剤)
→ さらに、残留物が食品に触れる場合、FDA基準もチェック
✅ まとめ:目的と作用する“対象”で見分けるのがカギ
| 項目 | FDA | EPA |
|---|---|---|
| 人の健康に関わる製品 | ✅ 対象 | ❌ 原則対象外 |
| 環境や化学物質の管理 | ❌ 原則対象外 | ✅ 対象 |
| 消費者向け化粧品 | ✅ | ❌ |
| 殺虫・抗菌製品 | ❌(人向け除く) | ✅ |
💬 最後にひと言:規制を“敵”ではなく“味方”に
FDAやEPAの規制は一見複雑ですが、「誰のための安全か?」という視点を持つと、納得できるロジックが見えてきます。
輸出や開発の現場で「この製品、どっちの規制に引っかかる?」と迷ったら、
“人体か? 環境か?”をまず考えることが、正しい判断の第一歩です。
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