―“売れる商品”と“危険な商品”を分ける境界線とは?―
アメリカの健康食品市場は巨大で、参入を目指す日本企業も年々増えています。しかし、アメリカにはFDA(米国食品医薬品局)による独自のルールが存在し、それを知らずに輸出すると、思わぬトラブルに発展することもあります。
特に健康食品は、医薬品ほど厳密ではない一方で、「知らなかった」では済まない禁止表現や義務表示が多数あるのが特徴。
本記事では、健康食品メーカーが最低限押さえておきたいFDAルールを、実務目線で分かりやすく解説します。
1. 健康食品は“医薬品”ではないという大前提
健康食品は、FDAではDietary Supplement(ダイエタリーサプリメント)に該当します。
医薬品のように「病気を治す」「予防する」といった表現は一切禁止。
たとえば、以下はNGワードの典型例:
- 「糖尿病を改善する」
- 「血圧を下げる」
- 「ガンを予防」
- 「炎症を抑える」
これらはFDA的には“医薬品 claims(治療目的の広告)”とみなされ、警告書(Warning Letter)の対象になります。
健康食品メーカーがやるべきことは、“効果”ではなく“機能”を伝えること”。
例:
- 「エネルギー産生をサポート」
- 「免疫機能維持に役立つ」
2. 主成分は“安全性が証明された成分”である必要がある
サプリに使用できる成分は自由なようでいて、実はルールがあります。
特に重要なのがNDI(New Dietary Ingredient)。
1994年以降に市場に出た新成分を使う場合、FDAへの安全性通知(NDIN)が必要です。
知らずにNDI成分を使うと:
- 通関で止まる
- 販売を停止される
- 責任問題に発展する
などのリスクに直結します。
3. ラベル表示は“FDAルールの最難関”
ラベル表示には以下の情報が必須です:
- Supplement Facts(日本でいう栄養成分表示)
- 成分リスト(原材料の列記)
- 1回摂取目安量
- 製造者・販売者情報
- アレルゲン情報
また、サプリ特有の文言として、“FDA免責文言(Disclaimer)”を必ず記載しなければなりません:
“This statement has not been evaluated by the FDA.
This product is not intended to diagnose, treat, cure, or prevent any disease.”
これがないだけで、販売停止レベルのリスクがあります。
4. 製造工場は“FDA登録 + GMP準拠”が必須
アメリカで販売する健康食品は、製造設備がFDAに登録された施設である必要があります。
さらにサプリメントはcGMP(Current Good Manufacturing Practices)への準拠が義務。
守っていないと:
- 工場の是正命令(Form 483)
- 製品差し止め
- 国内での販売停止
などの重大な影響があります。
特にOEM製造の場合、自社が使う工場がFDA登録されているかの確認は必須です。
5. 米国輸入時の“食品施設登録(FFR)”とU.S. Agentの重要性
健康食品をアメリカへ輸出する場合、
製造工場や加工施設は食品施設登録(FFR)が必要です。
また、FDAとのやり取りの窓口となる**米国代理人(U.S. Agent)**の登録も必須。
この代理人が適当だと:
- FDAからの通知を見逃す
- 緊急連絡に対応できない
- 製品が差し止めになる
といった深刻なトラブルに繋がります。
6. 広告・ECサイトの表現にも要注意
FDAはラベルだけでなく、以下も監視しています:
- 自社ウェブサイト
- ECページ
- SNS広告
- メールマガジン
ここで“病気改善 claims”を書いてしまうと、
「医薬品としてマーケティングしている」とみなされ即アウト。
よくあるNG例:
- 「花粉症がラクになるサプリ」
- 「高血圧の方におすすめ」
- 「インフルエンザ対策に」
まとめ:FDAルールは“知っていれば怖くない”
健康食品は医薬品ほど厳しくはないものの、
“何を書いたらダメなのか”
“どんな手続きが必要なのか”
を知らずに販売すると、高確率でトラブルになります。
ポイントはこの5つ:
- 医薬品的な表現は禁止
- 新成分はNDIルールに注意
- ラベル表示はFDA仕様に
- 製造工場はFDA登録+GMP準拠
- 広告・SNSの表現にも基準あり
これらを理解して運用すれば、アメリカ市場は大きなビジネスチャンスになります。
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