~信頼はトラブルの“その後”に生まれる~
海外との取引において、トラブルは避けて通れないものです。納期の遅れ、品質の問題、通関でのトラブルなど、大小さまざまな問題が発生します。しかし実は、こうしたトラブルが「信頼を深めるチャンス」になることもあるのです。
今回は、海外バイヤーから「この会社とは今後も付き合いたい」と思ってもらえる、トラブル時の対応術をご紹介します。
1. まずはスピード。「反応が早い=信頼できる」
バイヤーが一番不安に感じるのは、「相手の状況が分からないこと」です。
メールを受け取ったら24時間以内に返信を心がけましょう。即答できない場合でも、「確認中で、〇〇日までに改めてご連絡します」と伝えるだけで、安心感を与えられます。
ポイント:
- すぐに答えられない場合でも、“無視しない”ことが最優先。
- 相手のタイムゾーンを意識し、営業開始前に返信しておくと好印象。
2. 「事実」と「感情」を切り分けて伝える
トラブルが起きたときに感情的なやりとりになると、信頼関係が一気に崩れます。冷静に、かつ誠実に対応することが重要です。
悪い例:
“We are not responsible for the delay. It’s the shipping company’s fault.”
良い例:
“We apologize for the delay. We understand the inconvenience this may cause, and we are working closely with the shipping company to resolve it as soon as possible.”
ポイント:
- 「謝罪」と「説明」はセットで。
- 原因が社外にあっても、まずは自社としての責任感を示すこと。
3. 「代替案」と「行動」をセットで提示する
ただ謝るだけでは、信頼は回復しません。相手が最も知りたいのは、「これからどうするか」です。
例:
“The shipment will be delayed by 5 days. To compensate, we will upgrade to express shipping at no extra charge.”
ポイント:
- 次善策(Plan B)を用意しておく。
- 「できること」と「できないこと」を明確に伝えることで、逆に信頼が高まる。
4. 「予防策」を提示し、未来志向の姿勢を見せる
トラブルの再発防止策を伝えることで、「この会社は学ぶ姿勢がある」と評価されます。
例:
“To prevent this from happening again, we are now implementing a double-check process before shipping.”
ポイント:
- 小さなトラブルでも、再発防止策をセットで提示。
- 「次も起こるのでは?」という不安を打ち消すことが大切。
5. 「信頼」は対応の“質”と“透明性”で決まる
トラブルが起きたときの対応は、言い訳ではなく“信頼の再構築の場”です。特に海外バイヤーは、問題があったこと自体よりも、それにどう対応したかを重視する傾向があります。
まとめ:トラブルは「信頼を育てる種」
トラブル対応の真の目的は、単なる“問題解決”ではなく、「この会社なら次回も任せたい」と思ってもらうことです。誠実・迅速・前向きな姿勢を見せることで、トラブルが信頼に変わります。
最後に一言:
“信頼は、トラブルの後に本当の姿が見える。”
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