― 忘れると“突然アウト”になる重要手続きをやさしく解説 ―
「米国向けのビジネスは順調。でも、FDAの更新って何だっけ?」
そんな状態で年末を迎えるのは、実はとても危険です。
FDA関連の登録は、一度やって終わりではありません。
毎年、必ず行うべき「年次更新(Annual Registration Renewal)」があります。
この記事では、
- FDA年次更新とは何か
- 対象となる事業者
- 正しい更新方法
- 絶対に守るべき期限と注意点
を、実務目線で分かりやすく解説します。
FDA年次更新とは?
FDA年次更新とは、
Food and Drug Administration(米国食品医薬品局) に登録している事業者が、
毎年、登録情報を最新の状態として再確認・更新する手続きです。
対象となるのは主に以下の分野です。
- 医療機器(Medical Devices)
- 食品(Food Facility Registration)
- 化粧品(Cosmetics)
- 医薬品(Drug Establishment)
多くの日本企業が関係するのは、
医療機器登録(Establishment Registration) と
食品施設登録(Food Facility Registration) です。
なぜ年次更新が必要なのか?
FDAは、
「最新の情報を把握できない事業者は、適切に管理できない」
という考え方を取っています。
そのため、年次更新を怠ると、
- 登録が 自動的に無効
- 米国への 輸出停止
- 通関での 貨物保留(Detention)
- FDAデータベースからの 削除
といった、事業に直撃するリスクが発生します。
FDA年次更新の期限(最重要)
ここは必ず押さえてください。
▶ 医療機器(Establishment Registration)
- 更新期間:毎年 10月1日〜12月31日
- 期限:12月31日(米国東部時間)
※ 1月1日になると、未更新の登録は 無効扱い になります。
▶ 食品施設登録(Food Facility)
- 更新頻度:2年に1回(偶数年)
- 更新期間:10月1日〜12月31日(偶数年)
- 期限:12月31日
「毎年ではない」点が、逆に忘れやすいので要注意です。
FDA年次更新の方法(基本ステップ)
ステップ①:FDA公式システムにログイン
FDAが提供するオンライン登録システムを使用します。
- 登録時のID/パスワード
- 米国代理人(US Agent)の情報
を事前に用意しておきましょう。
ステップ②:登録情報の確認・修正
以下の内容を中心にチェックします。
- 会社名・住所
- 製造・取扱内容
- 連絡先情報
- 米国代理人(US Agent)
👉 変更がなくても「確認して更新」する必要があります。
ステップ③:年次更新の確定(Submit)
医療機器の場合は、更新時に
Establishment Registration Fee(年次登録料) の支払いが必要です。
- クレジットカード
- 米国銀行送金
などが利用できます。
よくある失敗と注意点
①「変更がないから更新不要」と思い込む
→ 誤りです。
変更がなくても、年次更新は必須です。
② US Agentの情報が古い
FDAとの連絡はUS Agent経由で行われます。
- 契約終了
- メールアドレス変更
があると、重要通知を受け取れません。
③ 期限を日本時間で勘違いする
FDAの期限は 米国東部時間基準 です。
👉 日本時間では 1月1日の午後 が実質的な締切になるケースもありますが、
12月中に完了させるのが安全です。
④ 外部業者任せで確認していない
代行業者を使っていても、
- 本当に更新されたか
- 登録ステータスが有効か
は、自社でも必ず確認しましょう。
FDA年次更新は「年末の重要タスク」
FDAへの年次更新は、
後回しにしがちですが、忘れた瞬間にリスクが顕在化する手続きです。
- カレンダーに毎年登録
- 社内チェックリストに組み込み
- US Agentとの連絡体制を明確化
こうした小さな準備が、
米国ビジネスを安定して続ける最大の防御策になります。
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