— 申請前に必ず知っておきたいチェックポイント —
アメリカ市場に製品を展開しようとすると、避けて通れないのが FDA(米国食品医薬品局)への登録。
しかし、初めて取り組む企業にとっては「何から始めればいいの?」「どんな情報が必要なの?」という疑問がつきものです。
実は、FDA登録に必要な情報は製品カテゴリー(医療機器、食品、化粧品など)によって大きく異なりますが、共通して押さえておくべきポイントが存在します。
今日は、そんな“登録前に知っておくべき情報”をまとめて、わかりやすく解説します。
1. 製品の分類(Classification)
FDA登録の第一歩は 自社の製品がFDA上どのカテゴリに該当するかを正しく知ること。
誤った分類をすると、申請書式も、求められる検証データも、必要な工程も全てズレてしまいます。
- 医療機器:Class I / II / III
- 食品関連:食品施設登録、FSVPなど
- 化粧品:自主登録制度(MoCRA施行後は要確認)
- 医薬品:NDA/ANDA など
分類を理解することは、登山で言うところの「どの山を登るか決める」作業。ここをミスると大変です。
2. 企業情報(Facility Information)
FDAが知りたいのは、製品だけではありません。
「誰が」「どこで」「どんな環境で」作っているのかを把握する必要があります。
- 会社名(正式名称)
- 製造所の住所
- 電話番号 / メールアドレス
- 登録責任者(U.S. Agent が必要な場合あり)
特に海外企業の場合、アメリカ国内に代理人(U.S. Agent)を置くのが必須になることも多いので要注意。
3. 製品情報(Product Details)
ここが登録の最重要ポイント。製品の特性を正しく、漏れなく伝える必要があります。
- 製品名
- 製品の用途(Intended Use)
- 構成材料
- 製造工程の概要
- 危険性評価(必要な場合)
- ラベル・パッケージ情報
FDAは「その製品が安全に使えるものか」を確認するため、どのカテゴリであっても情報の透明性を重視します。
4. 適合性データ(Testing & Compliance)
医療機器・食品接触物・一部の化粧品などでは、テストデータが重要な役割を果たします。
例:
- 生物学的安全性試験(Biocompatibility)
- 微生物テスト
- 安全性データシート
- 有効性試験
- GMP適合証明
「テストはどのレベルまで必要?」という疑問は多いですが、これは製品の分類によりまったく変わるため、事前調査が必須です。
5. ラベル情報(Labeling Information)
実は“ラベル表示”はFDAが非常に厳しく見るポイント。
誤解を招く表現があると、登録後でも警告を受けることがあります。
チェックされるポイント例:
- 成分表記
- 使用方法
- 過剰な効果表示(例:化粧品なのに「治療効果」を宣言してしまう など)
- アレルギー・警告表示
アメリカ市場の消費者は表示をよく読むため、ここが甘いとクレームにも繋がります。
6. 年次更新 / 管理体制(Maintenance)
FDA登録は一度やったら終わり、ではありません。
- 医療機器施設登録:毎年更新
- 食品施設登録:偶数年の登録更新
- 情報変更時の再申請
- 不具合報告(必要に応じて)
登録後の管理まで考えられてようやく、“FDAに対応できる体制”が整ったと言えます。
まとめ:FDA登録は「必要書類を集める作業」ではなく、「安全性と透明性を証明するプロセス」
FDA登録に必要な情報は多岐にわたりますが、共通して言えるのは
「安全性を裏付ける情報」と「正確な製品理解」が求められるということ。
準備の質がFDA対応のスピードを決めるため、
“登録直前に慌てて情報を集める”のではなく、製品開発段階からデータと文書を整理しておくことが重要です。
※本記事の情報は執筆日時点のものです。今後サービス内容や料金等が変更される可能性がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
ご希望のサービスを選択いただくことで、適切なサービス・お問合せページへとご案内いたします。
- ご希望のサービスについて
- どのようなサービスをご希望ですか。



Japanese Yen Exchange Rate
