―「任せたはずなのに…!」を防ぐために知っておくべきこと―
海外展開を目指す企業にとって、アメリカ市場は極めて魅力的です。しかし、その入口となる「FDA登録」には専門知識と経験が求められ、多くの企業が代行業者にサポートを依頼します。
ところが近年、
「代行会社に任せたのに登録されていなかった」
「追加費用が次々と請求される」
「FDAからの通知を代行会社が放置していた」
など、思わぬトラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。
この記事では、FDA登録代行で後悔しないための“5つの注意点”をわかりやすく解説します。
1. “FDA登録”の正体を理解する
まず知っておきたいのは、「FDA登録」という言葉が曖昧に使われやすい点です。
- 医療機器なら Establishment Registration や Device Listing
- 食品関連なら 食品施設登録(FFR)
- OTC医薬品なら NDC登録
など、分野によって必要な手続きはまったく異なります。
代行会社によっては、依頼者が本当に必要とする登録内容を正しく理解していないケースも…。
依頼前に、自社製品がどの制度に該当するのかをざっくり把握しておくことが重要です。
2. 料金体系を必ず確認する(「安い代行」は要注意)
FDA関連の手続きは、
- 申請代行費
- FDAへの公式手数料
- 米国代理人(U.S. Agent)費用
- 年間更新費用
など複数のコストが発生します。
よくあるトラブルが、“最初の提示額が異様に安い”代行会社。
契約後に、
「これは別料金です」
「FDAの回答が遅いので追加対応費を」
と、当初の倍以上の費用が請求されることもあります。
総額・年間費用・追加費用の条件は必ず事前に確認しましょう。
3. コミュニケーション体制が整っているか
FDAは英語でのやり取りが基本。追加質問や不備の指摘があった場合、迅速に対応しなければ手続きが止まってしまいます。
代行会社の中には、
- FDAからの通知を見落とす
- 回答が遅い
- 細かい確認なく勝手に情報を提出する
など、コミュニケーションに問題があるところも存在します。
以下を事前にチェックすると安心です:
- 担当者は固定?
- 返信速度はどれくらい?
- FDAからの通知をそのまま共有してくれる?
- 手続きの進捗を定期的に報告する体制がある?
4. 米国代理人(U.S. Agent)の質に注意
医療機器や食品施設登録では、アメリカ国内の連絡先を担う“U.S. Agent”が必要になる場合があります。
この代理人は、FDAからの質問や緊急連絡を受け取る重要な役割。
しかし、以下のような質の悪い代理人も存在します:
- ほぼ機能していない名義貸しだけの会社
- FDAからの連絡を放置
- 通知を依頼者に転送しない
最悪の場合、FDAの指示に対応できず登録取り消しとなるリスクも。
U.S. Agentを誰が担当するのか、どんな会社なのかを必ず確認しましょう。
5. 契約書の“更新条件”と“責任範囲”を明確にする
FDA関連の登録は、多くが毎年更新します。
そのため、契約書には以下のような文言が含まれているかをチェックすることが重要です:
- 年間更新料はいくらか
- 自動更新か、更新意思確認があるか
- 代行会社の作業範囲(どこまで対応するのか)
- FDAからの問い合わせ対応は含まれるか
- 情報の誤記や不備があった場合の責任の所在
曖昧な点が多いほど、後のトラブルにつながります。
まとめ:代行に「丸投げ」しないことが最大の防御策
FDA登録は複雑で手間もかかりますが、完全に丸投げするとリスクが上がります。
- 必要な手続きを理解する
- 料金・作業範囲を確認する
- コミュニケーションの質を見極める
- U.S. Agent の体制を確認する
- 契約条件をしっかり読む
これらを押さえておけば、代行会社とのトラブルを大幅に減らすことができます。
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