アメリカ市場は、サプリメント大国。
日本や海外の企業にとっても魅力的な巨大マーケットですが、そこで必ず出てくる疑問がひとつ。
「サプリメントってFDA登録しないと売れないの?」
答えは…… “YES”でもあり、“NO”でもある”
実はサプリ業界には、一般にはあまり知られていない独特のルールが存在しています。
今回は、サプリを扱う企業が知っておくべき「FDA登録の本当の意味」を、分かりやすく解説します。
🔍 サプリメントは「製品そのもののFDA登録」は不要
意外に思うかもしれませんが、サプリメントには医薬品のような
「製品ごとのFDA登録」や「FDA承認」 はありません。
つまり——
- サプリそのもののFDA登録:不要
- FDAの事前承認:不要
です。
では「なんだ、簡単じゃん!」と思ったかもしれませんが……
ここからが本題。
サプリのFDAルールは、これだけでは終わりません。
⚠ 重要なのは“施設登録”と“ラベル規制”
製品登録は不要でも、次の2つは義務です。
① 製造・加工・保管施設の FDA施設登録(必須)
サプリを製造・加工・梱包・保管する施設はすべて FDAに登録しなければなりません。
つまり、
- 海外工場
- アメリカ国内の倉庫
- サプリのボトリングを行う工場
これらは例外なく FDA登録が必要です。
登録していない工場で作られたサプリは——
輸入差し止めになる可能性が高い ため、実質的にはアメリカ販売が不可能。
サプリ本体に製品登録がいらなくても、工場が登録されていなければアウトなのです。
② ラベル表示は FDAルールに厳密に従う必要がある
サプリメントは「食品」に分類されるため、ラベル表記に厳しいルールがあります。
- 疾病を治すと書いてはいけない(例:”糖尿病を改善する”)
- 必須の警告文を入れる必要がある
- 成分の表記順は決まっている
- 構造機能表示(Structure/Function Claims)のルール厳守
特にアメリカは訴訟社会のため、表現ひとつで警告レターの対象になったり、販売停止になることも。
🔬 ③ 新規成分は NDI届出が必要なケースも
1994年以前に使用実績がない成分(NDI:New Dietary Ingredient)の場合は、
事前にFDAへ届出が必要。
知らずに販売すると違法扱いになり、回収や罰金のリスクがあります。
❌ では、ルールを無視するとどうなる?
サプリメント業界では次のようなトラブルが頻発しています。
- 輸入停止:港でストップし商品が全て廃棄
- 警告レター:FDAの公式ページで企業名が公開
- 取引先から契約解除
- リコール(自主回収)の強制
- 訴訟リスクの増大
特に輸入差し止めは、コストの損失のみならず企業イメージにも大打撃。
🧭 結局、サプリメントのFDA登録は必要?
一言でまとめると——
📌 製品のFDA登録:不要
📌 施設のFDA登録:必須
📌 ラベル規制:厳守が必須
📌 新規成分:届出が必要な場合あり
「FDA登録しなくてもいい」と思っていると、重大な落とし穴にはまる可能性があります。
サプリ市場に参入するなら、
製品そのものより 製造体制・工場登録・ラベルの適正性 が最も重要なのです。
✨ まとめ:FDA登録の“本質”を理解すれば、アメリカ市場は怖くない
サプリメントのFDA規制は複雑に見えますが、
ポイントさえ押さえれば安全に市場参入ができます。
- 製品に登録はいらない
- 工場や倉庫は登録が必要
- ラベルの表現には厳しいルール
- 新しい成分は事前届出が必要
これらを理解すれば、アメリカ市場は大きなチャンスになります。
※本記事の情報は執筆日時点のものです。今後サービス内容や料金等が変更される可能性がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
ご希望のサービスを選択いただくことで、適切なサービス・お問合せページへとご案内いたします。
- ご希望のサービスについて
- どのようなサービスをご希望ですか。


Japanese Yen Exchange Rate