米国輸入で“知らないと危険”な落とし穴を徹底解説
アメリカに商品を輸出・販売しようとする日本の事業者が、最初につまずきがちな壁――それが FDA(米国食品医薬品局) です。
「え?食品じゃないのにFDA?」
「Amazon FBAに送るだけなのに、登録が必要って言われた…」
こうした混乱は日常茶飯事。
理由はシンプルで、FDAが管理するカテゴリが“とんでもなく広い”からです。
この記事では、
● FDA登録が必要な商品とは何か
● 登録しないとどうなるのか
● Amazon輸出で特に注意すべきポイント
● 日本人セラーがよくやる“危険な勘違い”
をわかりやすく深掘りします。
■ FDAが管轄する商品カテゴリーは想像以上に広い!
FDAと言うと「食品=Food」のイメージがありますが、実際の役割はそれだけではありません。
FDAが管理する主な商品は次の5ジャンルです。
① 食品(Food)
ーーー飲み物、菓子、調味料、健康食品など
食品を扱う場合、食品施設登録(FFR)が必須。
注意点:
・たとえ原材料を加工しただけの工場でも「施設」とみなされる
・Amazon FBA倉庫が食品を保管する場合も、一定条件で登録が必要
・“食品接触製品”も要注意(例:食品用容器)
② 医薬品(Drug/OTC)
ーーー一般医薬品(OTC薬)も対象
例)
・痛み止め
・消毒薬
・花粉症薬
・医薬部外品に近い日本製品も対象になるケースあり
医薬品はFDA登録+事前許可(NDA)が必要で、審査は非常に厳しいです。
③ 医療機器(Medical Device)
ーーー“医療機器”の定義がとにかく広い!
例)
・マッサージガン
・パルスオキシメーター
・電動歯ブラシ
・CPAP関連用品
・眼科器具
・美容系デバイス
・体温計、血圧計など
誤解しやすいポイント:
「医療機器じゃないよね?」と思っても、
“人体に作用する、測定する、改善する”なら医療機器分類になる可能性が高い。
医療機器は
● FDA登録
● クラス分類(Class I〜III)
● 必要に応じて510(k)申請
など手続きが多いハイリスク商品です。
④ 化粧品(Cosmetic)
化粧品は医薬品ほど厳しくないものの、
2023年施行のMoCRAにより規制が大幅に強化。
必要なもの:
・施設登録
・製品リスティング
・成分管理(アレルゲン、禁止物質等)
・安全性データの保持
・ラベル要件の遵守
“日本の化粧品基準を満たしている=アメリカでOK”
ではないのが要注意。
⑤ 電子タバコ・ニコチン製品
FDAはタバコも規制対象にしています。
例)
・電子タバコ
・ニコチン入りリキッド
・関連デバイス
これらは輸入難易度が非常に高く、
PMTA(タバコ製品事前審査)が必要。
個人輸入レベルでも厳格に取り締まられます。
■ FDA登録を怠るとどうなる?
輸入時にFDA対象商品と判断されると、以下のような事態が起こります。
● ① 通関で差し止め
最も多いトラブル。
FDAの審査は税関とは別組織で行われ、
少しでも怪しいと容赦なくストップ。
● ② 貨物の破棄・返送
特に食品・医療機器系は返送不可=即廃棄になることも。
● ③ Amazon FBAへの納品拒否
FDA対象製品は、FBAセンターで書類チェックされることがある。
● ④ プラットフォームの販売停止(アカウント停止含む)
Amazonの自動審査で赤信号が出ると、
「書類を提出せよ」
と言われるケースが多発しています。
■ 日本人セラーがよくやる“危険な勘違い4選”
❌ 勘違い①
「日本で普通に売れているからアメリカでも問題ない」
→ 日本の基準とFDA基準は完全に別物。
❌ 勘違い②
「Amazonで同じ商品が出品されているから大丈夫」
→ 出品されていても“合法”とは限らない。
❌ 勘違い③
「化粧品は規制がゆるいでしょ?」
→ MoCRA施行後はむしろ厳格化。
❌ 勘違い④
「自分は小規模だから免除されるはず」
→ FDAに“規模の言い訳”は通用しない。
■ じゃあ、どう判断すればいい?
FDA対象かどうかを判断するポイントは次の3つです。
① 体に触れるか
(化粧品・医療機器の可能性)
② 体のデータを測るか
(医療機器扱いになりがち)
③ 食品・成分を人が摂取するか
(食品・サプリ扱い)
迷ったら、
「これは人体に作用するか?」
を自問すると判断しやすくなります。
■ まとめ:FDAは難しいが、理解すれば大きなチャンス
FDAの仕組みは確かに複雑です。
しかし、競合の多いAmazon輸入においては、
参入障壁が高い=チャンスが大きい市場。
つまり、
● FDAを正しく理解しているセラー
が勝つ市場であり、
● 何も知らずに突っ込んで炎上するセラー
が後を絶たない市場でもあります。
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