海外との取引でよく耳にする「DDP」や「DAP」。
特に国際物流やECビジネスを行う方にとって、これらの貿易条件を理解することはとても重要です。「DDPとDAPって何が違うの?」
「どっちを選べばコストを抑えられる?」
今回は、DDP(Delivered Duty Paid)とDAP(Delivered at Place)の違いをわかりやすく解説し、実際の取引で役立つポイントを紹介します!
📌 そもそもDDPとDAPとは?
✅ DDP(Delivered Duty Paid:関税込持込渡し)
輸出者(売り手)がすべての費用とリスクを負担 し、輸入者(買い手)の指定場所 まで商品を届ける条件です。
DDPでは、以下の費用を輸出者が負担します。
✔️ 輸出国での輸送費(国内配送費)
✔️ 国際輸送費(船・航空便)
✔️ 輸入関税・消費税
✔️ 通関手続き費用
✔️ 輸入国での配送費
💡 たとえば…
日本の企業がアメリカに商品を送る場合、DDPでは日本側がすべての手続きを完了し、アメリカの顧客に商品を届けます。
🟢 メリット(買い手視点):
- 受け取るだけでOK、手間がかからない
- 追加費用が発生しない
🔴 デメリット(売り手視点):
- 税関手続きや関税計算の負担が大きい
- コストの見積もりが複雑でリスクが高い
✅ DAP(Delivered at Place:仕向地持込渡し)
輸出者が輸入国の指定場所まで配送 しますが、関税・消費税は輸入者が負担 する条件です。
DAPでは、以下の費用を輸出者が負担します。
✔️ 輸出国での輸送費(国内配送費)
✔️ 国際輸送費
✔️ 輸入国での配送費
❌ 輸入関税・消費税は輸入者負担
💡 たとえば…
日本の企業がシンガポールに商品を送る場合、DAPでは日本側が商品をシンガポールの指定倉庫まで届け、税金の支払いはシンガポールの顧客が行います。
🟢 メリット(売り手視点):
- 関税・税金のリスクを回避できる
- 手続きがシンプルで管理しやすい
🔴 デメリット(買い手視点):
- 税金の支払いが必要で、追加コストが発生
- 通関手続きを自分で行う必要がある
🔍 DDPとDAPの違いを比較!
項目 | DDP | DAP |
---|---|---|
関税・消費税の負担者 | 売り手(輸出者) | 買い手(輸入者) |
通関手続き | 売り手が輸入通関も対応 | 売り手は輸出通関のみ、輸入通関は買い手対応 |
配送範囲 | 最終目的地 まで配送 | 指定場所 まで配送(通関後の配送は買い手) |
コスト管理 | 売り手が総額を把握しにくい | 売り手は税金リスクを回避できる |
リスクと責任 | 売り手が全責任を負う | 税関通過後は買い手が責任を持つ |
📊 DDPとDAP、どちらを選ぶべき?
✅ DDPが向いているケース
- 顧客に手間をかけさせたくない(EC販売やB2C取引)
- 商品の配送をフルサポートする ことで顧客満足度を高めたい
- 販売価格に関税・税金を含めた パッケージ価格にしたい
💡 こんな場面で活躍!
- Amazon FBAで海外の顧客に直接配送
- 高額商品を販売 し、顧客に安心感を与えたい
✅ DAPが向いているケース
- 関税・税金のリスクを負いたくない(コストを明確化したい)
- B2B取引 で相手企業が通関に対応可能な場合
- 国によって関税が複雑 で、トラブルを避けたい場合
💡 こんな場面で活躍!
- 企業間取引(B2B) で大量の商品を送るとき
- 顧客が現地での税金対応に慣れている 場合
📌 注意!DDP・DAP利用時のトラブル回避ポイント
1️⃣ 事前に輸入規制を確認
➡ 国ごとに輸入制限が異なるため、FDA(アメリカ)、CE(EU) などの規制を確認しましょう。
2️⃣ 税金計算を正確に行う(DDPの場合)
➡ 関税や消費税の計算を間違えると、コスト負担が膨らむリスクがあります。
3️⃣ 3PLの利用を検討する
➡ EEI申請(アメリカ輸出)や通関手続きは専門の物流会社(3PL)に任せるとスムーズです。
✍️ まとめ:DDPとDAPの違いを理解し、最適な条件を選ぼう!
項目 | DDP | DAP |
---|---|---|
税関・関税負担 | 売り手負担 | 買い手負担 |
配送範囲 | 最終目的地まで | 通関後の指定場所まで |
リスク管理 | 売り手がすべて負担 | 買い手が税関以降を管理 |
おすすめの取引形態 | EC販売・個人向け(B2C) | 企業間取引・大量輸送(B2B) |
あなたのビジネスに合ったインコタームズを選び、国際取引をよりスムーズに進めましょう!