—知らないまま参入すると“見えない落とし穴”にハマるかも
アメリカ市場は、世界最大級の消費マーケット。
日本企業にとっても魅力的ですが、その前に必ず押さえるべき存在があります。
それが FDA(Food and Drug Administration / 米国食品医薬品局)。
食品・サプリメント・化粧品・医療機器など、多くの製品カテゴリーがFDAの管理下にあり、
その仕組みを理解していないと 輸入差し止め・警告レター・販売停止 と、思わぬトラブルに発展します。
今回は、アメリカで商品を販売する前に絶対に知っておきたい
“FDAの基礎知識”をわかりやすく整理 しました。
🧭 FDAとは?何を管轄している機関なのか
FDA(アメリカ食品医薬品局)は、
アメリカ国内で流通する製品の安全性・有効性を守るための政府機関 です。
特に、人体に影響を与える製品の監督権限が強く、対象は多岐にわたります。
FDAが管轄する主な製品カテゴリー
- 食品(飲料・サプリメント含む)
- 化粧品
- 医薬品(処方薬・OTC薬)
- 医療機器
- 動物用医薬品
- タバコ製品
つまり、「口に入るもの」「肌に触れるもの」「体に作用するもの」 はほぼすべて、FDAのチェック対象と考えてよいでしょう。
🔍 FDAの役割は“承認すること”だけではない
多くの人が誤解していますが、
FDAは製品を片っ端から承認しているわけではありません。
FDAの役割は、大きく次の3つ。
① 安全性の基準を定める(規制をつくる)
分類ごとに厳密なルールがあります。
- 食品:施設登録、FSP(食品安全計画)、ラベル規制
- サプリ:NDI制度、構造機能表示のルール
- 化粧品:成分規制、ラベル規則
- 医薬品:承認制度、臨床試験の基準
- 医療機器:リスク分類、510(k)・PMAなどの審査ルート
ジャンルによってハードルがまったく違うため、自社製品がどこに分類されるかが最初の重要ポイント。
② 製品の事前承認・届出
FDA承認が必要なカテゴリー:
- 医薬品
- 医療機器の一部(Class II・III)
- OTC薬(日焼け止めなど)
一方で、承認不要なカテゴリー:
- 食品
- サプリメント(製品承認は不要)
- 化粧品(基本的に不要)
承認が必要かどうか知っていないと、輸出しても通関で止まります。
③ 市場監視(市場後のチェック)
FDAは、販売開始後も次を厳しくチェックします。
- 輸入審査(港でのチェック)
- 工場の査察
- 不良品・健康被害の報告
- ラベルや広告表現(虚偽 claims への警告)
規制を破れば 警告レター(Warning Letter) が公開され企業名がさらされます。
⚠ アメリカで販売する前に知っておくべき“落とし穴”
① 製品分類で運命が変わる
同じクリームでも、
- 「肌に潤いを与える」 → 化粧品
- 「炎症を抑える」 → 医薬品
主張するだけで分類が変わり、必要な手続きも大きく異なります。
② ラベル規制の厳しさは想像以上
食品から化粧品まで、表現・成分表示の位置や形式まで細かく決まっているため、
日本の常識で作ったラベルはほぼ確実にNG。
③ 施設登録を忘れると輸入できない
サプリメント・食品関連は特に、
製造施設・梱包施設・保管施設 のFDA登録が義務。
未登録だと 輸入差し止め されます。
🧾 要チェック:自分の商品はFDAの規制を受ける?
| カテゴリー | FDA承認 | 施設登録 | ラベル規制 |
|---|---|---|---|
| 食品 | 不要 | 必須 | 必須 |
| サプリメント | 不要 | 必須 | 必須 |
| 化粧品 | 不要 | ほぼ必須(MoCRAで強化) | 必須 |
| 医薬品 | 必須 | 必須(GMP) | 必須 |
| 医療機器 | 一部必須 | 必須 | 必須 |
まずは “自社製品がどのカテゴリーに当たるか” が最重要。
✨ まとめ:FDAの仕組みを知れば、アメリカ市場はもっと攻略できる
FDAは難しく感じるかもしれませんが、押さえるべきポイントはシンプル。
- 自社製品がどのカテゴリーに分類されるか理解する
- そのカテゴリーに必要な義務(承認・登録・ラベル)を把握する
- 販売後も継続的に規制を守る
これだけで、アメリカでのビジネスは驚くほどスムーズになります。
※本記事の情報は執筆日時点のものです。今後サービス内容や料金等が変更される可能性がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
ご希望のサービスを選択いただくことで、適切なサービス・お問合せページへとご案内いたします。
- ご希望のサービスについて
- どのようなサービスをご希望ですか。


Japanese Yen Exchange Rate