〜知らないと危険!輸出前に必ずチェックすべきラベルの落とし穴〜
アメリカ向けに食品やサプリメントを輸出する際、
「製品の中身は完璧なのに、ラベル表示でストップがかかった」――
そんなトラブルが実際に起きています。
FDA(米国食品医薬品局)は、製品の品質だけでなく、ラベル(表示)そのものも“規制対象”として厳しく監視しています。
この記事では、海外ラベルとFDAの関係、そして表示ミスで止められないための実践的なポイントを解説します。
🇺🇸 FDAは「中身」よりも「表示」で止める!?
多くの日本企業が勘違いしているのが、
「FDAは製品の安全性を見ている」=「品質検査がメイン」
というイメージ。
実際には、“ラベルが規制に合っていない”だけで輸入が止まることも珍しくありません。
アメリカでは「ラベル=製品の一部」とみなされるため、
不適切な表示は「Misbranding(誤表示)」とされ、
輸入差止め、リコール、警告書(Warning Letter)などの処分対象になります。
🧾 FDAがチェックする「ラベルの5大ポイント」
FDAラベル審査では、次の要素が重点的に確認されます。
① 製品名(Statement of Identity)
食品・サプリ・飲料など、製品のカテゴリを明確に表す名称が必要です。
日本的な表現(例:「栄養補助食品」)では通じず、英語で正しいカテゴリーを示す必要があります。
② 内容量(Net Quantity of Contents)
内容量は重量(g / oz)または体積(mL / fl oz)で、
メートル法とヤードポンド法の両方を併記するのが原則です。
例)Net Wt. 200 g (7.05 oz)
③ 成分表示(Nutrition Facts / Supplement Facts)
栄養成分表の形式は、FDAが定めるフォーマットに従う必要があります。
文字サイズ・順序・単位・太字なども細かく規定されており、
「レイアウトが少し違うだけ」で拒否されるケースも。
④ 原材料・アレルゲン表示
原材料は重量順で表示。
アメリカではアレルゲン表示が非常に厳しく、
「卵、乳、小麦、大豆、ナッツ」などの主要8大アレルゲンを明確に示さなければなりません。
例)Contains: Soy, Milk
⑤ 製造者情報(Name and Place of Business)
「製造者(または販売者)」の会社名・住所を英語で明記。
FDA施設登録をしている場合は、登録施設の住所を記載するのが望ましいです。
🚫 表示ミスで実際に起きたトラブル事例
ケース①:「サプリ」なのに“薬効表示”
日本語では「疲労回復に」「免疫力を高める」といった表現が一般的ですが、
FDAではこれらは医薬品の効能表現に該当。
結果、「Unapproved Drug(未承認医薬品)」として輸入拒否。
💡 ポイント:
サプリメントでは「Supports」「Helps maintain」など、機能を“サポート”する表現が安全です。
ケース②:フォーマット違いのNutrition Facts
輸出元が独自デザインで栄養成分を表示していたところ、
フォント・線の太さ・順序がFDA規定と異なり、通関で差止めに。
💡 ポイント:
FDA公式サイトで最新のラベルテンプレートを参照するか、
FDA対応のラベル審査サービスを利用しましょう。
ケース③:英語と日本語の併記トラブル
英語表示の中に日本語表記を残していたため、
「消費者が誤解する可能性がある」と判断されラベル再印刷。
💡 ポイント:
米国向け製品には、英語のみまたは英語を主表記に統一することが重要です。
🧰 ラベルチェックリスト(輸出前に確認!)
| 項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 製品名 | FDAが定めるカテゴリー名称を使用しているか |
| 内容量 | メートル法+ヤードポンド法で記載しているか |
| 成分表示 | FDA規定フォーマット(Nutrition/Supplement Facts)を使用しているか |
| アレルゲン | “Contains” 表示が正しく行われているか |
| 製造者情報 | 住所・会社名が英語で正確に書かれているか |
| 表現 | 医薬品的表現(治療・予防・治すなど)をしていないか |
💡 実は「ラベル審査」はFDAへの信頼を高めるチャンス
ラベルチェックは面倒に思えますが、
実は「米国市場での信頼を得る第一歩」でもあります。
FDAルールに則ったラベルは、小売バイヤーや消費者からの信頼性にも直結します。
多くの成功している日本企業は、
製品開発と同時に「FDAラベル監修」をプロに依頼し、
出荷前の段階で“通るラベル”を完成させるのが一般的です。
🌍 まとめ:ラベルは“デザイン”ではなく“規制文書”
FDA対応ラベルは、単なるデザインではなく法的文書です。
表示ミスひとつで出荷が止まり、コストも信用も失うことになりかねません。
だからこそ、
“見た目のきれいさ”よりも、“法的に正しいこと”が重要。
輸出を成功させる最短ルートは、
「FDAに認められるラベル」づくりから始まるのです。
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