~知らなきゃ危険!アメリカ輸出でよく聞く”あの番号”の正体~
アメリカへの輸出を考えたとき、必ずといっていいほど出てくる言葉――「FDA番号」。
でも実は、「FDA番号」という言い方、正式な用語ではありません。
それなのに、商社や海外バイヤーから「FDA番号を教えてください」と言われて困った経験、ありませんか?
今回はそんな「FDA番号」の正体や、その公開の可否、注意点について、専門的かつわかりやすく解説します。
✅ 「FDA番号」って何のこと?
まず結論から言うと、「FDA番号」=FDA施設登録番号(Registration Number)のことを指すことがほとんどです。
▼ FDA施設登録とは?
食品・サプリメント・化粧品・医療機器などをアメリカに輸出する施設(工場や加工場)は、米国FDAに登録することが義務付けられています。
登録すると、各施設に一意の登録番号が割り振られます。これが俗に言う「FDA番号」。
✅ 公開される?→ 原則、非公開です
FDA施設登録番号は、機密情報(Confidential)として扱われています。
🔒 つまり…
- FDAの公式サイトや一般検索で調べても出てきません
- 他社やバイヤーが勝手に確認することはできません
- 第三者に開示する場合は注意が必要
✅ じゃあ、バイヤーが聞いてくるのはなぜ?
輸入者(バイヤー)がアメリカ国内での通関を行う際、
「この商品はFDAに登録された施設で製造されたものか?」を示す必要があります。
そのとき、「FDA登録番号」や「UID(ユニークID)」を記入するのが一般的。
したがって、輸出側が登録していない or 番号を出せないと、輸入が止まることもあります。
✅ UID番号との違いって?
2020年以降、FDAはよりセキュアな管理のため、登録施設に対して「Unique Facility Identifier(UID)」を導入しています。
これはDUNS番号(ダンズナンバー)が代表的で、FDAへの施設登録時に提出が必要です。
▶ DUNS番号とは:
企業を世界的に一意に識別するための9桁の番号。Dun & Bradstreet社が管理。
✅ 「FDA番号」を渡すときの注意点
🔐 機密性の観点から慎重に扱うべきです。
以下のようなリスクに注意してください:
- 無関係の第三者に共有すると、情報漏洩の可能性あり
- 偽造や不正利用のリスク
- FDAから警告を受ける場合もある
📌 対応策:
- NDA(秘密保持契約)を交わしたうえで提供
- 信頼できるパートナーやバイヤーのみに限定
- 必要に応じて、「FDA登録証明書(Registration Confirmation)」をPDFで提示(これは番号だけでなく、登録済である事実を証明できる)
✅ よくある誤解と真実
| 誤解 | 実際は… |
|---|---|
| FDA番号は誰でも見られる | × 非公開情報です |
| 登録番号を取れば輸出OK | × 検査体制やGMPも重要です |
| 番号を共有しなければならない | △ 必要なときのみ、慎重に共有するのが正解 |
| FDAは認証機関である | × 認証ではなく「登録」制です(≠許可や承認) |
✅ 結論:「FDA番号」は取り扱い注意の“鍵”
「FDA番号」はアメリカ輸出において、鍵のような存在です。
持っていなければ扉は開かない。でも、誰にでも渡してはいけない。
その意味を理解して、正しく管理・共有できることこそ、海外バイヤーからの信頼を得る第一歩です。
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