国際配送トラブルの「その後」を知る
海外に送った商品が、受け取り拒否や住所不明で返送されてきた…。
しかも、開けてみたら壊れていた。
──このような状況に遭遇したとき、「誰が責任を取るの?」「補償は受けられるの?」と頭を抱える方も多いでしょう。
今回は、返送された商品が破損していた場合の補償の有無・手続き・注意点について、実際の配送サービス別に解説します。
📦 ケース1:日本郵便(EMS・国際eパケット・小形包装物など)
✅ 補償の対象になるのは「発送時の損傷」
まず大前提として、日本郵便(国際郵便)の補償は基本的に“発送時の破損”に対して適用されます。
つまり、「配送中に壊れた」と証明できれば補償対象ですが、返送中の破損についてはグレーな部分もあります。
🔍 実際の対応はどうなる?
- 返送時の破損であっても、「配送中の取り扱いによる破損」と認定されれば補償される可能性があります。
- 破損状態の写真、外箱の損傷、内容品の状態などを速やかに記録し、郵便局で「事故調査請求」を申請する必要があります。
❌ 補償されないケース
- 梱包不備による破損
- 船便・SAL便など補償のないサービスでの発送
- 関税の問題などで受取人が開封・検査後に壊れた場合(補償対象外になる可能性が高い)
🚚 ケース2:DHL・FedEx・UPSなど国際宅配便の場合
✅ 明確な保険制度+高い補償額
DHLやFedExなどの私企業は、配送中の損傷に対して比較的しっかりとした補償制度があります。
しかも、トラブル時の対応も迅速です。
📋 補償のポイント
- 通常は荷物に最低限の保険(数ドル~)が付いています。
- 高価な商品の場合は、任意で追加保険(Declared Value/Shipment Insurance)をかけることで補償額を拡大できます。
- 返送中であっても、DHL側での取り扱い中に破損したと判断されれば補償対象になることがあります。
💡 注意すべき点
- 受取人が故意に開封・破損させた場合や、
- 荷物の内容が補償対象外の物品(例:壊れやすい陶器・精密機器など)の場合は、補償されないことも。
🛠 補償を受けるために必要なこと
必須事項 | 内容 |
---|---|
📸 写真証拠 | 箱の外観、内部の破損状況、ラベルなどを記録 |
📝 書類 | インボイス、発送伝票、保険の証明書 |
📍 期限 | 事故報告は受け取りから数日以内(DHLは5〜14日以内)が一般的 |
📦 梱包証明 | 発送時の梱包が適切であった証明が必要になることも |
✅ トラブルを防ぐ3つの予防策
- 高額商品には保険をつける
数百円の保険で数万円の補償が受けられるなら、迷わず付けましょう。 - 写真を残しておく(発送前・梱包後)
“ちゃんと梱包した証拠”は、いざというときに強い武器になります。 - 追跡できる配送方法を選ぶ
追跡番号のある配送なら、配送経路や破損の原因をたどりやすくなります。
💬 まとめ
海外配送はスピードやコストも大事ですが、「壊れたとき、どうなるか?」まで考えることが、最終的なリスク管理になります。
- 安価な配送=補償なし・遅い
- 高価な配送=補償あり・対応が柔軟
返送された荷物が壊れていたときに泣き寝入りしないためにも、「発送時の保険・梱包・証拠保全」を徹底しておきましょう。
※本記事の情報は執筆日時点のものです。今後サービス内容や料金等が変更される可能性がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。