~米国ビジネスの第一歩は「納税者番号」から始まる~
米国でビジネスを展開しようとする際に、避けて通れないのがEIN(Employer Identification Number)の取得です。
これは、米国での法人や個人事業主に割り当てられる納税者識別番号であり、まさに「ビジネスのパスポート」とも言える存在。
今回は、EINの基礎知識、取得方法、そして具体的な活用場面まで、実務視点でわかりやすく解説します。
✅ EINとは?基本の役割
EIN(Employer Identification Number)は、アメリカのIRS(内国歳入庁)によって発行される9桁の番号です。日本の法人番号や個人のマイナンバーに近いイメージですが、企業活動に限定された用途で使用されます。
主な用途:
- アメリカで法人やLLCを設立する際
- 従業員を雇用する場合(Employer)
- 米国の銀行口座開設
- 米国Amazon(セラーセントラル)などプラットフォーム登録
- 米国での納税や税務書類(W-8BEN-Eなど)の提出
📝 EIN取得の手順(海外居住者向け)
米国外居住の日本人(法人または個人事業主)がEINを取得する場合の基本ステップを紹介します。
1. SS-4フォームを用意する
IRS指定の申請書「Form SS-4」を記入。記入例はネットでも多数公開されていますが、以下は重要ポイントです:
項目 | 内容 |
---|---|
1 | 法人名または申請者名 |
7a/7b | 代表者名・署名者名(個人名) |
9a | Entity type(例:LLC、Corporationなど) |
10 | EINの取得目的(”Complying with IRS withholding requirements” など) |
2. 電話で申請(海外居住者限定)
米国外からはIRSの国際部門へ電話で申請可能。
番号:+1-267-941-1099(英語対応)
受付時間:米国東部時間で月〜金、午前6時〜午後11時(混雑時は長時間待機あり)
3. EINの発行(即日〜数日)
- 電話口で申請完了後、その場でEINが伝えられる(※要メモ)
- 数週間後に正式な書面が郵送されることもあります
✔ 補足:Fax申請や郵送も可能ですが、発行まで数週間〜1ヶ月以上かかるケースが多いため、電話が最速です
🌎 なぜEINは海外ビジネスで重要なのか?
✅ 米国AmazonやShopifyの税務登録に必須
米国市場に商品を販売するには、税務情報の登録が求められます。特にW-8BEN-Eフォーム(法人の場合)でEINの記載が必要となり、取得していないと**源泉徴収30%**が課される可能性があります。
✅ 米国法人やLLC設立時に必要
- EINがないと法人銀行口座の開設不可
- 税務申告もできないため、ビジネス開始が事実上不可能
✅ 海外取引先との信頼性向上
- EINを持っていることで、相手企業から正規登録業者と認識されやすくなる
- 契約時に求められることも多い
❗ EIN取得時の注意点
- EINは1つの法人に1つだけ。重複申請に注意
- フリーランスなど個人で取得する場合、ビジネス名の設定に一貫性を
- 「EIN取得代行サービス」は多数あるが、自己申請なら無料
📌 まとめ:EIN取得は「米国市場進出の鍵」
米国との取引、特に越境EC、輸出入、クラウドサービス提供などを行う場合、EINの取得はほぼ必須です。
初めての人にはハードルが高く感じるかもしれませんが、正しく申請すれば無料かつ迅速に取得可能です。
グローバル展開を目指すなら、まずはこの9桁の番号から始めましょう!