「GST(Goods and Services Tax)」ってよく聞くけど、実際にはどういう税なの?
「海外ECで販売する際にGSTって払う必要があるの?」
こんな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?
本記事では、GSTの基本から、EC販売における影響、国別のGSTルール、送料への適用まで詳しく解説します。
GSTとは?VATとの違い
GST(Goods and Services Tax)は、商品やサービスにかかる消費税の一種で、国ごとに税率やルールが異なります。
VAT(Value Added Tax)と似ていますが、GSTは「消費者に最終的な税負担を求める」形態が多く、シンプルな仕組みを採用している国が多いのが特徴です。
例えば:
- オーストラリアやニュージーランドはGST方式(統一税率で管理)
- EUやイギリスはVAT方式(付加価値ごとに段階的に課税)
EC販売でGSTが関係する場面
① 海外向け販売でもGSTがかかるのか?
結論:販売する国によっては海外販売でもGSTの登録が必要になる!
たとえば:
- オーストラリア 🇦🇺:年間売上7.5万AUD以上の海外EC事業者はGST登録必須
- ニュージーランド 🇳🇿:年間売上6万NZD以上でGST登録必須
- シンガポール 🇸🇬:10万SGD以上の海外EC事業者もGST徴収対象
AmazonやShopifyなどのプラットフォーム経由で販売すると、自動的にGSTを徴収されることも多いため、しっかり確認しておきましょう!
② 送料にもGSTはかかるのか?
国によって異なりますが、多くの国では送料にもGSTが課税されます。
ただし、海外発送(輸出)はゼロ税率(免税)となるケースが多いのもポイントです。
国 | GST率 | 送料へのGST適用 |
---|---|---|
🇦🇺 オーストラリア | 10% | かかる(ただし輸出は免税) |
🇨🇦 カナダ | 5%〜 | かかる(州ごとに異なる) |
🇮🇳 インド | 5%〜28% | かかる(輸出は免税) |
🇸🇬 シンガポール | 8%(2024年に9%へ) | かかる(輸出は免税) |
🇳🇿 ニュージーランド | 15% | かかる(輸出は免税) |
国別のGSTルールと注意点
🇦🇺 オーストラリア(Australia)
- GST率:10%
- 売上7.5万AUD以上でGST登録が必要(海外EC事業者も含む)
- 送料にもGSTが適用(ただし輸出は免税)
✅ Amazonで販売する場合
Amazon AUでは、海外セラーが販売する場合でもGSTを徴収する仕組みがあり、販売価格に含める必要があります。
🇨🇦 カナダ(Canada)
- GST率:5%(州ごとに異なるHST/PSTあり)
- 送料にもGSTが適用される(オンタリオ州ではHST13%がかかる)
- 年間売上3万CAD以上で登録必須
カナダは州ごとに税制が異なるため、特にPST(州税)の適用に注意が必要です。
🇳🇿 ニュージーランド(New Zealand)
- GST率:15%
- 売上6万NZD以上でGST登録必須
- 国内配送の送料にもGSTが適用されるが、輸出は免税
ニュージーランドもオーストラリアと同様、海外セラーにもGST登録義務があります。
🇮🇳 インド(India)
- GST率:5%〜28%(商品カテゴリにより異なる)
- 送料にもGSTが適用(国際配送は免税)
- EC事業者はGST登録が必要(インド国内販売の場合)
インドは税率の変動幅が大きいため、販売する商品ごとに確認が必要です。
🇸🇬 シンガポール(Singapore)
- GST率:8%(2024年から9%へ引き上げ予定)
- 売上10万SGD以上で海外EC事業者もGST登録必須
- 送料にもGSTが適用されるが、輸出は免税
シンガポールはECへの規制が厳しく、登録対象の海外事業者がGSTを徴収しないと罰則があるため注意が必要です。
EC事業者がGSTで気をつけるポイント
✅ 各国のGST登録要件を事前に確認する
✅ Amazon・ShopifyなどのECプラットフォームのGST処理を理解する
✅ 送料のGST適用有無を把握し、正しい請求を行う
✅ 適切なGSTインボイス(請求書)を発行する
特に、オーストラリアやニュージーランドのように海外販売でもGST登録義務がある国では、正しく対応しないと罰則を受ける可能性もあります。
まとめ:GSTはEC販売で無視できない税制度!
- GST(消費税)は国ごとにルールが違うため、販売先の税制を把握することが重要
- 海外向け販売でもGST登録が必要な国がある(オーストラリア・ニュージーランドなど)
- 送料にもGSTがかかる国が多いが、輸出はゼロ税率(免税)になるケースが多い
- AmazonやShopifyなどのECプラットフォームを利用する場合、GSTの仕組みを理解することが大切
越境ECを成功させるためには、GSTの仕組みをしっかり理解し、適切な税務処理を行うことが重要です!